猟期が始まってまだ間もないけれど、先日取れたコガモのメスをどう料理するかずっと考えていた。
今日は天気も落ち着いていて、外の空気を吸ったらなんだか「温かいものを食べたいな」と思って、胸肉を使った鴨南蛮に挑戦してみることにした。
まずは調理の下準備から。
フライパンにごま油をひいて温め、そこへネギを投入。軽く焼き目がつくくらいまでじっくり焼く。こういうひと手間で香りも甘みも変わるから、丁寧にやりたいところだ。
ネギを一度取り出したら、同じフライパンでコガモの胸肉をロースト。
両面に焼き色がついたところで、アルミホイルに包んで10分ほど休ませる。小さな胸肉だけど、この“寝かせる時間”が意外と大事なんだと思う。
休ませた胸肉を5mm幅ほどにスライスし、かけそば用に薄めた麺つゆへ投入。
焼き目のついたネギも戻して、軽く煮込む。
あとは蕎麦を入れたら完成。思ったよりシンプルな工程だけど、野生の肉を扱っている感覚がなんだか楽しい。
いざ食べてみると、最初の一口は脂の多い部分に当たり、驚くほど美味しかった。
「さすがカモだ」と思わず心の中でつぶやくほど。
ただ、二口目以降は脂の少ない部分で、少し煮込みすぎたせいか硬くなり、ほんのりと血の味も残っていた。
コガモのメスはサイズも小さく、正直なところ満足感は少し物足りない。
決してまずくはないけれど、「もう少し美味しく食べてあげたかったな」と思う。
鴨はあえて血抜きをしないで、血の旨みを楽しむ人もいると聞く。
でも今回の感じだと、僕はきちんと血抜きをした方が美味しく感じられそうだ。
次に調理するときの課題がひとつ見えた気がする。
残ったもう一つの胸肉は、どうしようか——。
焼くか、燻すか、コンフィにするか。考えるだけでちょっとワクワクしてしまう。
次はもっと満足できる調理方法を見つけて、コガモの旨みをしっかり引き出してあげたい。

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