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積雪期、3人猟の一日


――獣の動きを読むということ

今日の狩りは、3人で2ラウンド。

待ち合わせの時間、
ベテラン猟師の話を聞きながら、
今日の山の状況を頭に入れていく。


目次

ベテラン猟師の読み

先輩は、
雪の量と気温を見てこう言った。

「今日は積雪もあるし、気温も高い。
朝はまず猪が川に水を飲みに来るな」

雪があると、
水分補給のために川沿いを歩く猪を見かけることがあるらしい。

さらに、

  • これだけ雪があると行動範囲はかなり狭くなる
  • 雪崩で剥き出しになった山肌から餌を探す
  • 飲み食いした後は寝屋で寝ていることもある

朝と夕方は、

  • 水を飲む
  • 餌を食む

という行動が多く、
その時間帯が狙い目とのこと。

そして人数の話になり、

「3人なら巻き狩りより、
積雪あるし忍び猟の方が取れるかもしれんな」

深い雪では猪の動きも遅く、
体力も消耗しやすく、
頻繁に休憩する――。

ただ歩いているだけのように見えて、
頭の中ではここまで考えているのかと、
改めて感心する。


1ラウンド目:中央の渡を狙う

1ラウンド目は、
中央の渡に誘き寄せる作戦。

  • 両サイドの谷から登る
  • 中央に向かって挟み撃ち
  • 最後は中央の渡に入ったところを待ちが撃つ

という流れだ。

ここは今年まだ一度も手をつけていない場所だが、
例年は猪や鹿が入っているポイントらしい。

朝日が斜面を照らし、
日向は気持ちよさそうだ。

「獣たちも、
日向ぼっこしてるんじゃないか」

昨日、一昨日は気温も低く雪も降っていたが、
今日は晴れて気温も上がっている。

たくさん動いて餌を探してくれ
日向ぼっこでもしていてくれ
そして足跡をつけまくってくれ

そんな都合のいいことを願いながら、
山に入った。


カンジキと深雪

カンジキを履いて進むが、
雪は深く、正直かなり歩きにくい。

途中から傾斜もきつくなり、
なかなか登れない場所もあった。

それでも、

  • 木々の間から差す光
  • キラキラと光る雪面

景色は本当にきれいだ。

疲れているはずなのに、
不思議と無心で進める。

反対側から攻めている人と連絡を取り合いながら、
中央へ向かう。

……が、
獣の気配はない。

結局、
1ラウンド目は空振り

小動物の足跡は見つかったが、
大物はいなかった。


2ラウンド目:尾根を歩く

2ラウンド目は、
以前行ったことのある山へ。

とりあえず尾根付近まで上がり、
尾根沿いに足跡を探すことになった。

その途中、
鹿の鳴き声がかなり近くで聞こえてきた。

一度だけでなく、
結構頻繁に鳴いている。

姿は見えないが、
方向はなんとなく分かる。

尾根から回り込むように歩を進めると、
今度は鹿の鳴き声が後方から聞こえた。

どうやらお互い姿を見せず、
時計回りにすれ違ったようだ。

一緒に登っていたベテラン猟師は、
あまり鹿を獲る気がなさそうで、

「他の足跡探そう」

とさらに進む。


足跡を追うも…

途中、
はっきりした足跡を発見。

それを追うことになった。

足跡は、
ちょうど待ちがいる方向へ伸びている。

無線で状況を伝え、
慎重に追っていく。

……が、途中で突然、
進路が尾根側へ変更。

足跡は、
待ちがいる方向とは反対側へ伸びていってしまった。

そのまま時間切れで、
2ラウンド目も終了。


獲れなくても、得るものはある

結局この日は、
獣の姿を見ることはできなかった。

それでも、

  • 鹿の鳴き声を何度も間近で聞けた
  • 獣同士の距離感や動きを想像できた
  • 積雪期の「外れ方」を体感できた

これはこれで、
かなり貴重な経験だったと思う。

獲れない日もある。
でも、山に入れば必ず何かは残る。

今日の狩りは、
そんなことを改めて感じた一日だった。


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