午前中、ぽっかり時間が空いた。
外は少しひんやりしていたけれど、気分は悪くない。
なんとなく思い立って、7年ぶりに献血センターへふらっと立ち寄ってみた。
特に大きな理由はないけれど、誰かの役に立てるなら――そんな気持ちだった。
受付で手続きを済ませ、さっそく問診へ。
最近の飲食や睡眠、体調の変化、過去の病歴、不特定の性行為の有無まで、タブレットを使って細かく入力する。
献血後に配られた注意チラシにも「6ヶ月以内の不特定の性的接触(同性も含む)」「薬物」「エイズ陽性」などの確認項目がしっかり書かれていて、輸血される側としては本当に大事な情報なんだと改めて感じた。
検査では血圧測定と、指先を“ぱちん”と刺して血液濃度のチェック。
献血前には脱水予防としてコップ2杯以上の水分を必ず摂るように言われる。
センター内の自販機はフリードリンクで、飲み放題。
さらに普段朝食を抜いている私は、「お菓子を2個以上食べてください」とスタッフさんに言われた。もちろんこれも食べ放題。
もしかしたら、この“飲み食べ放題”を目当てに来ている人もいるのかもしれない。
今日は400mlの全血献血。
200mlの献血や、必要な成分だけ抜いて血を戻す「成分献血」もあるらしいけれど、手術などで必要とされる量を考えると、全血の需要が大きいそうだ。
採血室に入ると、10台ほどの献血台が並んでいた。
満席というほどではなく、人はまばら。
改めて思うけれど、普通の日常生活の中で“献血に行こう”とわざわざ思う人は多くないのかもしれない。私もその少数派の一人なんだろう。
注意事項を確認して献血スタート。
400mlはだいたい15分ほど。
その間、失神防止の「レッグクロス体操」をし続ける。
足を組んで太ももをギュッと締め、お尻とお腹に力を入れ、つま先を伸ばす。
5カウントで力を入れて、5カウント脱力。
これを左右1セットずつ、終わるまでずっと繰り返す。
「本当に効果あるのかな?」と思いながらも、倒れて救急車呼びたくはないので大人しく従う。
献血が終わったあとは、10分以上の安静時間。
車で来ていたので念のため30分ほどゆっくり過ごし、自由に飲み物を飲みながら過ごした。
終わった後の体調は特に変わらず、一安心。
ふと気になって自分の血液量を調べてみた。
体重の約8%が循環血液量らしく、
70kgなら約5.6L、60kgなら4.8L、50kgなら4.0L。
400mlというと、50kgの人だと約10%にあたる。急速に20%を失うとショック状態に、30%を失うと命の危険があるとか。
そう考えるとなかなかの量だ。
しかも、献血で失われた赤血球量が元に戻るには約1ヶ月かかるらしい。
回復を助けるには、水分補給、鉄分の多い食事、そして数日は高負荷トレーニングを控えることが大切とのこと。
今日の献血をきっかけに、半年に一度くらいのペースで定期的に続けてみるのもいいなと思った。
理由はいつも“なんとなく”でも、誰かの役に立つならそれで十分だ。

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