石川県小松市上荒屋町にある**「手打ち蕎麦 山桜」**へ行ってきました。
以前から「美味しい」と評判を聞いていたお店で、今回は野菜天ざる蕎麦ととろろ飯をいただきました。
結論から言うと、蕎麦だけではなく、水・製粉・蕎麦打ち・天ぷら・接客まで、細部へのこだわりが詰まった一軒でした。
今回は実際に食べて感じたことを紹介します。
一見すると蕎麦屋には見えないモダンな外観
お店は住宅街の中にあります。
最初に驚いたのは建物。
グレーを基調としたシンプルでスタイリッシュな外観は、一見すると蕎麦屋には見えません。
無駄な装飾を省いたモダンな建物ですが、入口には木製の看板が置かれ、和の雰囲気もしっかり感じられます。

店内は落ち着いた大人の空間
店内へ入ると、白とグレーを基調とした落ち着いた空間が広がります。
木目調の家具や壁が温かみを演出しており、照明も明るすぎず暗すぎず、とても居心地の良い雰囲気でした。
席同士の間隔にもゆとりがあり、ゆっくりと蕎麦を楽しめます。
さらに印象的だったのが、ガラス張りのスペースに置かれた石臼と大きな赤いこね鉢。
展示品というより実際に使用している道具のようで、毎朝石臼で蕎麦を挽き、手打ちしている職人のこだわりを目でも感じることができました。
山桜のこだわり
メニューには、お店のこだわりが詳しく書かれていました。
特に印象に残ったのは次の点です。
- 蕎麦と出汁には、加賀市山中町の**桂清水(かつらしょうず)**の天然湧水を使用
- 毎朝、その日に使う蕎麦の実だけを石臼でゆっくり自家製粉
- 珍しい一本棒丸延しという製法で麺に余計なストレスを与えない
- 一口ずつ丁寧に束ねる伝統的なぼっち盛り
- 一般的な蕎麦店より多い一人前200g
- 一日限定50食のみの提供
ここまで読んだ時点で、蕎麦への本気度が伝わってきました。
野菜天ざる蕎麦を実食

まずは蕎麦から
最初は何も付けずに一口。
蕎麦の香りは強く主張するタイプではなく、どちらかと言えば控えめです。
しかし、一口食べるとまず感じるのが抜群ののど越し。
麺の表面は非常にツルツルとしていて、口当たりがなめらかです。
パサつきは一切なく、最後まで気持ち良く食べられました。
蕎麦の香りを前面に出すというよりも、食感とのど越しを楽しむタイプの蕎麦だと感じました。
つゆ
つゆはやや辛口。
出汁の主張は強すぎず、蕎麦の風味を邪魔しない絶妙なバランスです。
ツルツルとした蕎麦との相性も良く、最後まで飽きることなくいただけました。
天ぷらは一品一品に仕事がされている
野菜天ざる蕎麦に付いてくる天ぷらも非常に印象的でした。
どの天ぷらも共通しているのは、
衣が軽く、サクサク。
油っぽさやベタつきは全くありません。
さらに、ピンク色の塩(岩塩と思われるもの)が添えられており、塩でも蕎麦つゆでも楽しめます。
素材本来の甘みを味わうなら塩、蕎麦との一体感を楽しむならつゆと、食べ方を選べるのも嬉しいポイントでした。
玉ねぎ
厚切りですが火がしっかり通っており、とても甘い。
素材の甘さがよく引き出されていました。
にんじん
天ぷらでは珍しいですが、中までホクホク。
下処理をしているのかと思うほど柔らかく、美味しかったです。
とうもろこし
芯の硬い部分が取り除かれており、とても食べやすい。
こうした細かな仕事に職人らしさを感じます。
豆腐
個人的に一番驚いた天ぷら。
絹ごし豆腐のみずみずしさを残しながら、衣はサクサク。
水分の多い豆腐をここまで上手に揚げる技術に感心しました。
かぼちゃ
大きくて食べ応え十分。
中はホクホクで甘みもしっかり感じられます。
なす
輪切りではなく縦半分に切り、さらに包丁で切り込みが入れられていました。
火が均一に入り、中はトロッと柔らかく、外はサクサク。
素材ごとに調理方法を工夫していることが伝わってきました。
とろろ飯もおすすめ
今回はとろろ飯も注文しました。
加賀丸いもと大和芋を出汁で合わせたとろろは、とても風味豊か。
醤油を少しかけるとさらに美味しく、ご飯がどんどん進みます。
蕎麦だけでも十分満足できますが、さらに満足感を求めるならぜひ注文してほしい一品です。
漬物にも職人のこだわり
付け合わせのきゅうりの漬物にも目が留まりました。
表面には飾り包丁が入れられており、味が中までしっかり染み込むよう工夫されています。
味付けは少し濃いめですが、暑い夏にはちょうど良い塩分補給にもなりそうです。
脇役である漬物にも手間を惜しまない姿勢が感じられました。
「感謝」の文字におもてなしの心を感じた
もう一つ印象に残ったのが、天ぷらの下に敷かれていた白い敷き紙。
そこには**「感謝」**の文字が印字されていました。
食べ終わる頃に気付きましたが、こうした細かな演出からも、お客様を大切にする気持ちが伝わってきます。
料理だけではなく、お店全体で「おもてなし」を表現しているように感じました。

食後は蕎麦湯で締める
食後には蕎麦湯が提供されます。
蕎麦にこだわりのあるお店では定番ですが、やはり嬉しいサービスです。
まずはそのまま一口。
ほんのり蕎麦の香りが広がり、ホッと落ち着く味わいです。
その後は蕎麦つゆと合わせていただきました。
一般的には蕎麦湯7:つゆ3くらいの割合がおすすめと言われていますが、確かにこのくらいがちょうど良いバランスでした。
普段あまり蕎麦湯を飲まない私でも、美味しく最後までいただけました。
ボリュームと価格
山桜の蕎麦は一人前200g。
一般的な蕎麦店よりボリュームがあります。
とはいえ、しっかり食べたい方には天ぷら付きがおすすめ。
私はさらにとろろ飯も注文しましたが、お腹いっぱいになる満足感がありました。
価格は2,000円前後とランチとしては決して安くありません。
しかし、
- 天然湧水へのこだわり
- 毎朝の石臼挽き
- 手打ち
- 一本棒丸延し
- 丁寧な天ぷら
- 一日50食限定
これだけの手間と品質を考えると、十分納得できる価格設定だと思います。


まとめ
「手打ち蕎麦 山桜」は、蕎麦が美味しいだけのお店ではありません。
水、製粉、蕎麦打ち、天ぷら、盛り付け、そして蕎麦湯まで、一つひとつに職人のこだわりを感じられる一軒でした。
特に印象的だったのは、料理だけではなく、お客様への気遣いが細部にまで行き届いていることです。
天ぷらに添えられた塩、漬物の飾り包丁、そして敷き紙に印字された「感謝」の文字。
こうした小さな心配りの積み重ねが、お店全体の満足度をさらに高めていました。
「一日50食限定」というのも納得のクオリティです。
小松市で本格的な手打ち蕎麦を探している方はもちろん、少し贅沢なランチを楽しみたい方にも、自信を持っておすすめできるお店でした。

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