台風のニュースを見ていて、ふと気になった。
「今回の台風、なんかいつもの台風と動きが逆じゃない?」
2026年8月に発生した台風15号(チャンホン)は、日本の東側から西へ向かって進んできた。
台風といえば、南の海で発生して、日本へ近づきながら北上し、その後は東へ抜けていく。
そんなイメージを持っていたので、今回の台風15号の進路を見たときは、
「東から西に進むって珍しくない?」
と単純に疑問に思った。
さらに進路を見ているうちに、もう一つ気になることが出てきた。
「台風って東側のほうが風が強いんじゃなかったっけ? じゃあ、台風が逆方向に進んだら、強い側も変わるの?」
そこで、そもそも台風とは何なのか、なぜ今回の台風はこんな変わった動きをしたのか、そして台風の「強い側」はどう決まるのかを調べてみた。
そもそも「台風」って何?
まず気になったのが、台風の定義。
気象庁によると、熱帯・亜熱帯の海洋上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」といい、そのうち北西太平洋に存在し、最大風速が17m/s以上になったものを台風と呼ぶ。
つまり、単に「南の海で発生した低気圧」なら何でも台風というわけではない。
発生する場所と、最大風速などの条件がある。
今回の台風15号も、この条件を満たしているので、正真正銘の「台風」だ。
気象庁の台風位置表でも、最大風速17m/s以上の熱帯低気圧を台風として扱っている。
では、なぜ東から西へ進むの?
ここが今回一番気になったところ。
台風は、自分の意思で「こっちへ行こう」と進んでいるわけではない。
周囲の大気の流れに流されて移動している。
気象庁によると、台風は上空の風に流されて移動するため、通常は低緯度で東風の影響を受けて西へ進み、その後、高緯度へ進むと偏西風の影響で北東へ進むことが多い。
特に8月は日本付近の上空の風が弱く、台風が複雑な経路をとることも多いという。
そのため、
「台風は必ず北へ進む」
「台風は必ず東へ進む」
という決まりがあるわけではない。
周囲の気圧配置や上空の風によって、進む方向は変わる。
今回は「台風そのもの」より「周りの空気」が特殊だった
今回の台風15号も、台風自身が突然、
「今日は西へ行こう」
と方向転換したわけではない。
台風を取り巻く高気圧や低気圧、上空の風などの配置が、普段とは違っていたため、台風が西向きに進むことになった。
台風は巨大な空気の渦だが、その移動速度や方向は、台風自身の力だけで決まるわけではない。
周囲の大気に運ばれているようなものだ。
今回の台風15号は、そのことが非常に分かりやすく表れた例だった。
「台風の東側が強い」って聞いたことがあるけど?
ここで、さらに気になった。
台風は一般的に、
「東側のほうが風が強い」
と言われることがある。
実際、台風が日本へ北上してくる場合には、進行方向の右側が東側になるため、東側の風が強くなりやすい。
では、今回のように台風が東から西へ進んだ場合はどうなるのだろうか?
実は「東側が強い」が正確ではない
調べてみると、ここには少し勘違いしやすいポイントがあった。
正確には、
「台風は進行方向に向かって右側の半円で風が強くなりやすい」
ということ。
気象庁によると、台風の右側では、台風自身が作り出す風と、台風を移動させる周囲の風が同じ方向に重なるため、左側より風が強くなりやすい。
つまり、
「東側が強い」のではなく、「右側が強くなりやすい」
ということだった。
では、台風が西へ進んだら強い側はどこ?
ここが今回の台風15号で一番面白いところ。
例えば台風が、
南 → 北
へ進んでいるとする。
進行方向に向かって右側は「東」。
そのため、
北上する台風 → 右側=東側
となる。
ところが今回のように、
東 → 西
へ進んでいる場合。
台風の進行方向は「西」なので、進行方向に向かって右側は「北」になる。
つまり、
西進する台風 → 右側=北側
となる。
簡単にすると、
| 台風の進行方向 | 進行方向の右側 |
|---|---|
| 南 → 北 | 東側 |
| 西 → 東 | 南側 |
| 北 → 南 | 西側 |
| 東 → 西 | 北側 |
ということになる。
だから、今回のような西進台風では、「東側が強い」というより、進行方向の右側にあたる北側で風が強くなりやすいという考え方になる。
ただし、これはあくまで基本的な傾向。
実際の台風では、周囲の気圧配置や台風の構造などによって風の強い場所は大きく変わる。
気象庁も、個々の台風ではその時の台風や周辺の気圧配置によって、風の強い領域が大きく異なる場合があるとしている。
なぜ右側の風が強くなるのか?
これも調べてみると面白かった。
台風は北半球では、上から見ると反時計回りに風が吹き込む巨大な空気の渦になっている。
そこに、台風そのものを移動させている周囲の風が加わる。
すると、
右側では風と風が同じ方向に重なる
一方、
左側では風が打ち消し合う方向になる
ため、右側のほうが風速が大きくなりやすい。
イメージすると、
「台風自身の風」+「台風を動かす風」
という2つの風が重なっているわけだ。
気象庁の資料でも、進行方向右側の半円のほうが風速が強くなることが示されている。
ということは「逆走台風」は強い場所まで変わる?
今回の疑問を整理すると、
台風が東から西へ進む
↓
進行方向が変わる
↓
「右側」の位置も変わる
↓
基本的に風が強くなりやすい側も地図上では変わる
ということになる。
これは今回の台風15号を見ていて初めて気がついた。
今まで、
「台風は東側が強い」
と単純に覚えていたが、正確には、
「進行方向の右側が強くなりやすい」
ということだった。
台風の進む方向が変われば、「右側」がどこになるかも変わる。
ただし「右側=必ず猛烈な風」ではない
ここは注意が必要。
台風の「右側が強い」というのは、あくまでも基本的な特徴。
実際の台風では、
- 周囲の高気圧・低気圧
- 上空の風
- 台風の移動速度
- 海面水温
- 台風そのものの構造
- 陸地や山などの地形
など、さまざまな要素が関係する。
そのため、
「今回の台風15号は北側が必ず一番危険」
と単純に考えることはできない。
実際の防災上は、台風の進行方向だけで判断せず、気象庁が発表する最新の風・雨・波・高潮などの情報を見る必要がある。
台風15号を見ていて思ったこと
今回、私が最初に思ったのは本当に単純なことだった。
「台風の動き、いつもと逆じゃない?」
それだけだった。
でも、そこから調べてみると、
「そもそも台風って何?」
「なぜ台風は進む方向が変わる?」
「台風の東側が強いって本当?」
「逆方向に進んだら強い側も変わる?」
と、次々に疑問が出てきた。
そして分かったのは、台風は単純に「南から北へ進むもの」でも、「東側が強いもの」でもないということ。
台風は周囲の大気の流れに乗って移動し、その進行方向によって風の強くなりやすい側も変わる。
今回の台風15号は、そんな台風の仕組みを改めて考えるきっかけになった。
まとめ
今回の台風15号を見て、「いつもの台風と動きが逆だな」と思ったことから調べてみた。
分かったことをまとめると、
- 台風は北西太平洋などにある熱帯低気圧が発達したもの
- 最大風速が17m/s以上になると台風として扱われる
- 台風は自分の力だけで進むのではなく、周囲の大気の流れに流されて移動する
- 8月は日本付近の上空の風が弱く、台風が複雑な進路をとることもある
- 今回の台風15号は日本の東側から西へ進む異例の進路を取った
- 「台風は東側が強い」というのは正確には違う
- 正確には**「進行方向に向かって右側の半円で風が強くなりやすい」**
- そのため、西へ進む台風では、基本的には進行方向右側=北側が強くなりやすい
- ただし実際の風の強い領域は、周囲の気圧配置や台風の構造などによって変わる
台風の進路を見て、
「なんでこんな方向に進むんだ?」
と思ったときは、台風だけを見るのではなく、その周りの高気圧や低気圧、上空の風の流れを見る。
そうすると、少しずつ台風の動きが分かってくる。
今回の台風15号は、いつもとは違う動きをしたからこそ、台風について改めて知るきっかけになった。
天気予報を見るとき、これからは台風の中心だけでなく、**「どちら向きに進んでいるのか」「その右側はどこなのか」**にも少し注目してみようと思う。

コメント