「狩猟」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。
山の中で銃を構え、シカやイノシシを追う姿でしょうか。それとも、昔ながらの猟師やマタギの姿でしょうか。
私自身、狩猟免許を取得して実際に狩猟を始めていますが、改めて「狩猟とは何なのか」と考えてみると、思っていた以上に奥が深いものだと感じています。
狩猟には、趣味として楽しむこと、ジビエとして食べること、農作物への被害を防ぐこと、増えすぎた鳥獣の個体数を管理すること、外来種による被害を防ぐこと、伝統的な狩猟文化を受け継ぐことなど、さまざまな目的があります。
その中で、今の私が一番近いと感じているのは、
「自分で鳥獣を捕獲して、自分で食べること」
です。
自分で獲って、自分で食べる
私が狩猟をやってみたいと思った一番の理由は、単純と言えば単純です。
自分が食べるものを、自分の力で獲ることができるようになりたい。
これが一番大きな目的です。
普段、私たちはスーパーに行けば肉を買うことができます。
パックに入った肉を見ても、それがどんな動物の命からできているのかを意識する機会は、それほど多くありません。
もちろん、それが悪いことだとは思いません。
現代社会では、それが当たり前の仕組みになっています。
そもそも、生きるということは、突き詰めれば他の生き物の命をいただくことでもあります。
そのことを頭で理解するだけではなく、自分自身で経験する。
そして、食べ物を得るための能力を少しでも身につける。
それが、私にとっての狩猟の出発点です。
ただ「獲る」だけでは終わらせたくない
とはいえ、せっかくいただいた命を、肉だけ取って終わりにするのはもったいないとも思っています。
できることなら、一頭の命をできるだけ無駄なく利用したい。
それが「自然資源の持続的利用」という考え方につながってくるのだと思います。
ただ、今の自分はまだその段階に十分達しているわけではありません。
まずは安全に捕獲すること。
適切に処理・解体すること。
そして、おいしく食べること。
まずはそこからです。
その能力が身についた先に、捕獲した命をできるだけ無駄なく利用するという考え方があるのだと思っています。
狩猟には、もっと大きな役割がある
狩猟について勉強していくと、自分が最初に考えていたよりも、狩猟にはさまざまな役割があることが分かってきました。
例えば、ニホンジカやイノシシ。
これらの鳥獣が増えすぎると、農作物を食べたり、森林の植物を大量に食べたりすることで、農林業や自然環境に大きな影響を与えることがあります。
そのため、狩猟には、
- 農林水産業への被害を減らす
- 増えすぎた鳥獣の個体数を管理する
- 生態系への影響を抑える
- 外来種による被害を防ぐ
といった役割もあります。
つまり、狩猟は単純に「動物を捕る」という行為だけではありません。
鳥獣と人間が共存していくために、鳥獣を適切に保護・管理するという役割も持っています。
人間がいなければ、自然は勝手にバランスを取るのでは?
ここは少し自分の中でも考えてしまうところです。
「そもそも、人間がいなければ自然は自然で勝手にバランスを取っていくんじゃないのか?」
そう思うことがあります。
自然界には、食べる側と食べられる側がいて、動物が増えれば餌が減り、餌が減れば動物も減る。
そうやって長い時間をかけてバランスが作られていく。
それなら、人間が動物を捕獲すること自体が自然なことなのか、という疑問もあります。
ただ、現在の日本では、人間の活動そのものが自然環境に大きな影響を与えています。
農地があり、人工林があり、道路や住宅地があり、昔とは土地の使われ方も大きく変わっています。
さらに、狩猟者の減少や野生動物を取り巻く環境の変化など、さまざまな要因が重なっています。
だから現代の日本では、
「人間が自然に手を加えなければ、それで自然が本来の状態に戻る」
と単純に考えることも難しいのだと思います。
人間が環境を変えてきた以上、その環境の中で人間と野生鳥獣がどう共存していくのかを考える必要があります。
その一つの手段が、現在の狩猟なのだと思います。
狩猟者は「動物を捕る人」だけではない
狩猟について勉強していて、特に印象に残ったのが、
「狩猟者は単なる鳥獣の捕獲者ではない」
という考え方です。
狩猟者には、鳥獣の保護・管理の担い手としての役割があります。
そう考えると、狩猟免許を取得して山に入るということは、単に「獲物を捕る資格を持つ」ということではありません。
法律を守り、安全に狩猟をする。
鳥獣の生態や自然環境について知識を身につける。
捕獲した鳥獣について必要な報告をする。
農林業被害を防ぐための活動に協力する。
増えすぎた鳥獣の個体数管理に協力する。
そして、捕獲した鳥獣をできるだけ有効に利用する。
こうしたことも狩猟者に求められている責任です。
だから、もっと勉強しなければならない
ここまで書いてみると、今の自分にはまだまだ足りないものが多いと感じます。
狩猟技術だけではありません。
鳥獣の生態。
山の地形。
痕跡の見つけ方。
法律。
安全管理。
捕獲後の処理。
解体。
ジビエとしての利用。
自然環境。
個体数管理。
勉強することはいくらでもあります。
だからこそ、これからはこのブログも勉強の一部として活用していきたいと思っています。
本を読んで終わりにするのではなく、
勉強する
↓
自分なりに理解する
↓
ブログに書く
↓
人に説明できるようになる
↓
また新しいことを勉強する
という形で、知識を身につけていきたい。
ブログを書くこと自体を、狩猟の勉強のアウトプットにしていくつもりです。
そして、実際に山へ入る
知識だけでは狩猟はできません。
猟期に入ったら、できるだけ積極的に山へ入りたいと思っています。
実際に山を歩いて、
「ここにはどんな動物がいるのか」
「どんな場所を好むのか」
「どんな痕跡を残すのか」
「季節によって何が変わるのか」
そういったことを自分の目で見て、経験として積み重ねていきたい。
本で読んだ知識と、実際の山で得た経験。
この二つをつなげていくことが、これからの自分の課題です。
来年度からは、さらにやることが増える
狩猟歴も来年度から4年目になります。
これまでよりも一歩踏み込んで、来年度からは有害鳥獣駆除隊への参加もできるようになります。
そうなれば、自分のために狩猟をするだけではなく、地域の鳥獣被害対策という、より社会的な役割にも関わっていくことになります。
そう考えると、やることは本当に山積みです。
でも、今はそれが楽しみでもあります。
私にとっての「狩猟」とは
最初は、
「自分で獲って、自分で食べられるようになりたい」
という、とても個人的なところから始まった狩猟。
でも、勉強していくうちに、その先にはもっと大きな世界があることが分かってきました。
「獲る技術」だけではなく、鳥獣のことを知る。
「食べる」だけではなく、いただいた命をできるだけ無駄なく利用する。
「趣味」だけではなく、農林業被害や個体数管理にも目を向ける。
そして、狩猟者として法律を守り、安全に行動し、自然環境の保全にも協力する。
狩猟とは、単に山に入って動物を捕ることではない。
人間と野生鳥獣が共存していくために、鳥獣の保護と管理を担うことでもある。
今の自分は、まだまだその入口に立ったばかりです。
だからこそ、これから勉強して、山に入って、実際に経験していきたい。
このブログでは、狩猟について勉強したことも、実際の狩猟で経験したことも、自分自身の記録として残していこうと思います。
まずは、自分で獲って、自分で食べられる能力を身につける。
そこから少しずつ、その先にある「鳥獣の保護と管理」という役割にも向き合っていきたい。
やることは山積みです。
でも、それが今は楽しみです。

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