狩猟に興味を持って調べ始めると、まず出てくるのが「狩猟免許」という言葉です。
僕も狩猟について調べていく中で、最初は「狩猟免許を取れば狩猟ができる」というくらいの認識でした。
しかし、実際には狩猟免許にも種類があり、使用できる猟具もそれぞれ違います。
今回は、これから狩猟を始めようと思っている人に向けて、狩猟免許の4種類と、それぞれで使用できる猟具について整理してみました。
狩猟免許は4種類
日本の狩猟免許は、大きく4種類に分けられます。
- 網猟免許
- わな猟免許
- 第一種銃猟免許
- 第二種銃猟免許
名前だけを見ると少し難しく感じますが、基本的には「どのような猟具を使って狩猟するのか」によって分かれていると考えると分かりやすいです。
| 狩猟免許 | 使用できる猟具 | 代表的なもの |
|---|---|---|
| 網猟免許 | 網 | むそう網・はり網・つき網・なげ網 |
| わな猟免許 | わな | くくりわな・はこわな・はこおとし・囲いわな |
| 第一種銃猟免許 | 装薬銃・空気銃 | 散弾銃・ライフル銃・空気銃など |
| 第二種銃猟免許 | 空気銃 | 空気銃 |
ここから、それぞれの免許について見ていきます。
① 網猟免許
網猟免許は、その名前のとおり網を使用して狩猟を行うための免許です。
網猟に使用できる猟具には種類があり、代表的なものとして次の4種類があります。
- むそう網
- はり網
- つき網
- なげ網
「網」と一言でいっても、使用方法や形状はそれぞれ異なります。
普段の生活では狩猟用の網を見る機会はほとんどありませんが、狩猟免許の制度上は、こうした網を使った猟法も正式な狩猟として位置付けられています。
石川県に伝わる「坂網猟」
網猟について調べていると、石川県にとても興味深い伝統的な猟法があることを知りました。
それが、石川県加賀市の「坂網猟(さかあみりょう)」です。
坂網猟は、加賀市北部にある片野鴨池周辺で江戸時代から受け継がれてきた伝統的な鴨猟です。現在も大聖寺捕鴨猟区協同組合によって技術が継承されています。2025年12月には「片野鴨池の坂網猟」が石川県指定無形民俗文化財にも指定されました。
その特徴は、一般的な銃猟とは大きく異なる猟具と猟法にあります。
使用するのは「坂網」と呼ばれるY字形の網。長さは約3.5~4mほどあり、見た目は大きな虫取り網やラクロスのラケットを連想させるような形をしています。ただし、普通の虫取り網のように網が枠に固定されているわけではありません。
鴨が頭上を飛んできた瞬間を狙い、坂網を真上に投げ上げて空中で鴨を捕らえるという、とても特殊な猟法です。地形や鴨の飛び方を熟知し、飛来する一瞬を見極める技術が必要になります。
この坂網猟で捕獲された鴨は「坂網鴨」と呼ばれ、加賀を代表する希少な食材として知られています。
坂網猟の大きな特徴の一つが、銃を使わず、網で鴨を捕獲することです。石川県加賀市の観光情報でも、坂網にかかった鴨は無傷で捕獲され、臭みが少ないと紹介されています。
また、坂網鴨は年間の捕獲数が限られているため、とても希少です。加賀市内の料理店などで提供されることがありますが、いつでも食べられるものではなく、捕獲状況によっては提供できない場合もあります。
「網で鳥を捕まえる」と聞くと、単純な方法のように感じるかもしれません。
しかし実際には、鴨の行動や飛来する方向、地形などを熟知したうえで、飛んできた一瞬に長い坂網を投げ上げる必要があります。
約300年以上にわたって受け継がれてきたこの技術を見ると、狩猟は単に獲物を捕まえるための方法ではなく、その土地の自然や動物の習性を理解し、長い年月をかけて培われてきた文化でもあるのだと感じます。
② わな猟免許
現在、狩猟を始めようとする人にとって比較的身近なのが、わな猟免許ではないでしょうか。
わな猟免許は、わなを使用して狩猟を行うための免許です。
使用できる猟具には、主に次の4種類があります。
- くくりわな
- はこわな
- はこおとし
- 囲いわな
例えば、山や農地の周辺でイノシシなどによる農作物被害が問題になっている地域では、わなを利用した捕獲が行われています。
ただし、わな猟免許を取得したからといって、好きな場所にわなを仕掛けて自由に動物を捕獲できるわけではありません。
狩猟には、対象となる鳥獣や区域、期間、猟法などについてさまざまなルールがあります。
③ 第一種銃猟免許
銃を使った狩猟に興味がある人が気になるのが、第一種銃猟免許です。
第一種銃猟免許では、装薬銃を使用した狩猟ができます。
装薬銃とは、火薬を使って弾丸を発射する銃のことです。
代表的なものとして、
- 散弾銃
- ライフル銃
などがあります。
さらに重要なのが、第一種銃猟免許を持っている場合、空気銃を使用することもできるという点です。
つまり、銃猟免許について単純化すると、
第一種銃猟免許=装薬銃+空気銃
と覚えておくと分かりやすいでしょう。
④ 第二種銃猟免許
第二種銃猟免許は、空気銃を使用して狩猟を行うための免許です。
第一種銃猟免許との大きな違いは、装薬銃を使用できるかどうかです。
| 装薬銃 | 空気銃 | |
|---|---|---|
| 第一種銃猟免許 | ○ | ○ |
| 第二種銃猟免許 | × | ○ |
そのため、空気銃だけを使用するのであれば第二種銃猟免許でも対応できます。
一方で、将来的に散弾銃やライフル銃などの装薬銃を使用する可能性がある場合は、第一種銃猟免許が必要になります。
第一種と第二種、どちらを取ればいい?
ここは銃猟を考えている人にとって気になるところだと思います。
単純に「空気銃しか使わない」と決めているのであれば、第二種銃猟免許という選択肢があります。
しかし、将来的に装薬銃も使ってみたいのであれば、第一種銃猟免許が必要です。
第一種を取得していれば空気銃も使用できるため、使用できる銃の範囲は第一種のほうが広くなります。
そのため、銃猟を本格的に始めたい人の場合は、将来自分がどのような猟をしたいのかを考えて免許を選ぶことが大切です。
狩猟免許を取れば、すぐ狩猟できるの?
ここは初心者が特に勘違いしやすいポイントです。
狩猟免許を取得しただけでは、すぐに狩猟ができるわけではありません。
実際に狩猟をするためには、原則として都道府県への狩猟者登録が必要です。
さらに狩猟税の納付なども必要になります。
また、狩猟を行う際には、
- 狩猟期間
- 狩猟できる区域
- 狩猟できる鳥獣
- 使用できる猟具・猟法
- 捕獲できる数
など、さまざまなルールを守る必要があります。
「免許を持っている=どこでも、いつでも、何でも捕獲できる」というわけではありません。
銃を使う場合は、さらに「銃の所持許可」が必要
もう一つ、銃猟を考えている人が覚えておきたいのが、狩猟免許と銃の所持許可は別物ということです。
例えば、第一種銃猟免許を取得したとしても、それだけで散弾銃やライフル銃を所持できるようになるわけではありません。
銃を所持するためには、別途、銃砲刀剣類所持等取締法に基づく所持許可が必要になります。
つまり、銃猟を始める場合には、
狩猟免許
↓
銃の所持許可
↓
狩猟者登録
↓
ルールに従って狩猟
というように、いくつかの手続きや条件をクリアしていく必要があります。
「狩猟免許」と「猟具」は別々に考えると分かりやすい
ここまでを整理すると、狩猟免許と猟具の関係はそれほど複雑ではありません。
網を使うなら網猟免許。
わなを使うならわな猟免許。
装薬銃を使うなら第一種銃猟免許。
空気銃を使うなら第二種銃猟免許。
ただし、第一種銃猟免許を持っている場合は空気銃も使用できます。
図にすると、こんなイメージです。
| 免許 | 使える猟具 |
|---|---|
| 網猟免許 | 網 |
| わな猟免許 | わな |
| 第一種銃猟免許 | 装薬銃・空気銃 |
| 第二種銃猟免許 | 空気銃 |
狩猟を始めるなら、まずは自分が何をしたいのかを考える
狩猟免許を取得しようと思ったとき、最初に「どの免許が一番簡単なのか」と考えてしまいがちです。
もちろん免許取得の難易度も気になるところですが、それより先に「自分はどんな狩猟をしたいのか」を考えたほうがいいと思います。
例えば、
- わなを仕掛けてイノシシなどを捕獲したい
- 銃を使った狩猟をしてみたい
- 空気銃を使った狩猟に興味がある
- 網猟について詳しく知りたい
など、目的によって必要になる免許が変わってきます。
僕自身も狩猟について調べていく中で、最初は「狩猟免許」という一つの資格だと思っていました。
ところが実際には4種類に分かれていて、さらに銃を使う場合には銃の所持許可も必要です。
こうして一つずつ整理してみると、狩猟を始めるまでにはいくつかのステップがあることが分かります。
まとめ
今回は、狩猟を始める前に知っておきたい狩猟免許と猟具の種類についてまとめました。
狩猟免許は、
- 網猟免許
- わな猟免許
- 第一種銃猟免許
- 第二種銃猟免許
の4種類があります。
それぞれ使用できる猟具が異なり、特に銃猟では、
第一種=装薬銃+空気銃
第二種=空気銃
という違いがあります。
また、狩猟免許を取得しただけでは狩猟ができるわけではなく、狩猟者登録などの手続きが必要です。
銃を使用する場合には、さらに銃の所持許可も必要になります。
狩猟というと、山に入って銃を撃ったり、わなを仕掛けたりするイメージが先行しがちですが、実際には法律やルールを理解したうえで行う必要がある活動です。
僕もこれから狩猟について勉強していく中で、免許の取得方法や試験の内容、実際に狩猟を始めるまでの流れなども調べていきたいと思います。
狩猟に興味がある方の参考になれば幸いです。

コメント