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栓抜きを使う機会が減った?今も残る「王冠キャップ」の理由

先日、お中元で少し良さげな瓶入りのジュースをいただきました。

瓶を手に取ってみると、蓋は昔ながらの「王冠キャップ」。

そして、ちょうど家に栓抜きもありました。

せっかくなので、4歳の息子にも栓抜きを使って瓶を開ける体験をさせてみることにしました。

「こうやって引っ掛けて、グッと上げるんだよ」

と教えながら栓を抜いてみると、パキッというような音とともに王冠が外れました。

子どもにとっては、今ではなかなか珍しい体験なのかもしれません。

そこで、ふと思いました。

そういえば最近、王冠キャップを開ける機会って減ったよな?


目次

昔はもっと身近だった「王冠」

私が子どもの頃は、瓶の飲み物といえば王冠というイメージがありました。

特に瓶ビール。

家庭でも瓶ビールを飲む機会があり、栓抜きは台所や引き出しの中に普通に置いてある道具だったように思います。

ところが最近は、ペットボトルや缶、スクリューキャップの瓶など、簡単に開けられる飲み物が増えました。

瓶そのものを見かける機会も減ったように感じます。

飲み会に行っても、瓶ビールを注文することはあります。

しかし、よく考えてみると、店員さんがすでに王冠を開けた状態で持ってきてくれることが多い。

つまり、瓶ビールを飲んでいても、自分で王冠を開ける機会がないんですよね。

そう考えると、「王冠を見ること自体が減った」と感じるのも納得です。


そもそも、なぜ今でも王冠を使うのか?

「こんなに開けるのが面倒なのに、なぜ王冠はなくならないんだろう?」

気になったので調べてみました。

すると、王冠には今でもちゃんと合理的な理由がありました。

まず大きいのが、構造が非常にシンプルだということ。

王冠は、金属製のキャップを瓶の口にかぶせ、圧着して密封します。

スクリューキャップのように、瓶側にねじ山を作る必要もありません。

キャップ自体も非常に単純な部品なので、大量生産する飲料メーカーにとっては扱いやすく、コスト面でも有利です。

「昔から使っているから、仕方なく残っている」というより、今でも十分に合理的な方法だから残っているというわけです。

確かにな、と思いました。


瓶は再利用できる

もう一つ、瓶と王冠の組み合わせには面白いメリットがあります。

瓶そのものは、洗浄して再利用できます。

特にビールなどで使われているリターナブル瓶では、

瓶を回収する

洗浄・検査する

新しい飲料を詰める

新しい王冠で封をする

というサイクルが可能です。

つまり、

瓶は何度も使い、王冠だけ新しいものに交換する。

これは非常にシンプルです。

瓶を使い捨てるのではなく、容器そのものを繰り返し使える仕組みと、毎回交換する王冠。

この組み合わせは、長い間使われてきただけのことはあります。


王冠は「開けにくい」のに優秀だった

私たち消費者からすると、王冠の一番のデメリットは明らかです。

栓抜きが必要。

ペットボトルならキャップをひねるだけ。

スクリューキャップの瓶でもひねるだけ。

それに対して王冠は、

「栓抜きどこだ?」

から始まります。

でもメーカー側からすると、話は変わってきます。

王冠は安価で、構造がシンプルで、大量生産しやすい。

しかも瓶との組み合わせでは、炭酸飲料などを密封するための実績も長い。

さらに、一度開けた王冠は元の状態に戻せないため、未開封であることが分かりやすいというメリットもあります。

消費者にとっては「面倒な蓋」でも、メーカーにとっては「非常に合理的な蓋」だったわけです。


じゃあ、スクリューキャップのほうが保存には強いの?

ここも気になったところです。

「王冠のほうが密封性が高くて、賞味期限も長いのでは?」

と思いました。

しかし、これは単純にそうとは言えません。

現在のスクリューキャップも十分に高い密封性能を持っています。

飲料の賞味期限は、キャップだけで決まるわけではありません。

飲料そのものの性質、殺菌方法、容器、酸素の透過、光など、さまざまな条件を考慮して決められます。

そのため、

王冠だから賞味期限が長い、スクリューキャップだから短い

という関係ではありません。

むしろスクリューキャップには、一度開けても再び閉められるという大きなメリットがあります。

ここは王冠にはない便利さです。


栓抜きを知らない子どもが増えていく?

今回、息子に栓抜きを使わせてみて、もう一つ思ったことがあります。

もしかすると、これからは**「栓抜きの使い方を知らない」という人がもっと増えていくのではないか**ということ。

もちろん、瓶ビールなどを飲む機会があれば知ることになるでしょう。

でも、今の飲み物は本当に簡単に開けられます。

ペットボトルならキャップを回すだけ。

缶ならプルタブを起こすだけ。

スクリューキャップなら、やはり回すだけ。

わざわざ専用の道具を使って蓋を開けるという行為自体が、日常から少しずつ消えているように感じます。

今回、たまたま家に栓抜きがあったから息子に体験させることができました。

考えてみれば、これも一つの「昔の道具を使う体験」なのかもしれません。


便利になることと、失われていくもの

今回の王冠キャップについて調べてみて感じたのは、単純に「昔のものが廃れている」という話ではないということです。

確かに、私たち消費者からすると、王冠よりスクリューキャップのほうが便利です。

栓抜きもいらない。

開けるのも簡単。

一度開けても閉められる。

それでも王冠は、安価でシンプルで、瓶を再利用する仕組みとも相性が良いという、メーカー側から見たメリットがあります。

だから、消費者の生活からは少しずつ姿を消しているように見えても、合理性がある限り、王冠そのものはまだ残っている。

今回いただいた一本の瓶ジュースから、そんなことを考えるきっかけになりました。

そして何より、久しぶりに自分で栓抜きを使ってみると、ちょっと楽しい。

息子にとっても、普段ならひねるだけの蓋を、道具を使って「自分で開ける」というのは新鮮だったようです。

便利なものが増えていく一方で、こういう少し手間のかかる体験も、たまには残しておきたいものです。

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