野生動物なら何を捕まえても良いわけではありません。日本では、野生鳥獣の捕獲は**「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」**によって厳しく規制されており、狩猟の対象となる動物も法律で定められています。
今回は、個別の鳥獣を紹介する前に、まず知っておきたい**「狩猟鳥獣とは何か」**について、法律をもとに分かりやすく解説します。
1.狩猟鳥獣とは
「狩猟鳥獣」とは、鳥獣保護管理法第2条および鳥獣保護管理法施行規則に基づき、狩猟の対象として指定された鳥獣のことです。
法律上は、次のような考え方に基づいて指定されています。
- 希少鳥獣(絶滅のおそれがある種など)ではないこと
- 狩猟による利用や個体数管理の対象とすることが適当であること
- 捕獲を行っても、その種の生息状況に著しい影響を及ぼすおそれがないこと
つまり、生息状況や保護の必要性、農林水産業との関わりなどを総合的に考慮し、適切な管理のもとで狩猟が認められている鳥獣が狩猟鳥獣です。
2.狩猟鳥獣の種類
具体的な種類は、法律本文ではなく鳥獣保護管理法施行規則で定められています。
2026年7月現在では、狩猟鳥獣は鳥類26種、獣類20種の合計46種が指定されています。
※以下は本ブログ投稿の2026年7月現在の内容です。狩猟鳥獣の種類は法令改正により変更される場合があります。
鳥類(26種)
- マガモ
- カルガモ
- コガモ
- ヨシガモ
- ヒドリガモ
- オナガガモ
- ハシビロガモ
- ホシハジロ
- キンクロハジロ
- スズガモ
- クロガモ
- エゾライチョウ
- ヤマドリ(亜種コシジロヤマドリを除く)
- キジ(注:亜種のコウライキジを含む)
- コジュケイ
- ヤマシギ(注:別種のアマミヤマシギは含まれない)
- タシギ
- キジバト
- ヒヨドリ
- ニュウナイスズメ
- スズメ
- ムクドリ
- ミヤマガラス
- ハシボソガラス
- ハシブトガラス
- カワウ

獣類(20種)
- タヌキ
- キツネ
- アライグマ
- ヒグマ
- ツキノワグマ
- ハクビシン
- イノシシ(注:雑種のイノブタを含む)
- ニホンジカ(注:亜種のエゾシカ等を含む)
- タイワンリス
- シマリス(注:亜種のチョウセンシマリスを含む)
- ヌートリア
- ユキウサギ
- ノウサギ
- ノイヌ
- ノネコ
- テン(亜種のツシマテンを除く)
- イタチ(オスに限る)
- シベリアイタチ(注:旧和名はチョウセンイタチ、長崎対馬市の個体群を除く)
- ミンク
- アナグマ

※亜種とは・・・生物の分類で基本となる「種」の下にある単位で、同じ生き物の仲間(種)でありながら、住む地域や環境が違うことで、見た目や体に少し違いが出たグループのこと。簡単に言うと、同じ生き物だけど、住む地域の違うために、見た目や形が少し変わった親戚グループのことです。
3.狩猟鳥獣はどのように指定されるのか
狩猟鳥獣は、環境大臣が自由に決められるものではありません。
新たな種類を指定したり、指定を解除したりする場合には、法律に基づき次のような手続きが行われます。
- 利害関係者から意見を聴くための公聴会
- 農林水産大臣との協議
- 中央環境審議会への諮問
このように、科学的な知見や社会的な影響を十分に考慮したうえで指定されています。
4.狩猟鳥獣でも自由に捕獲できるわけではない
狩猟鳥獣であっても、自由に捕獲できるわけではありません。
野生鳥獣の捕獲は原則として禁止されており、狩猟や有害鳥獣捕獲など、法律で認められた場合に限って捕獲できます。
狩猟として捕獲するためには、主に次の条件を満たす必要があります。
- 狩猟期間内であること(毎年定められ、地域によって異なる場合があります。)
- 狩猟可能区域であること(鳥獣保護区や休猟区などを除く。)
- 法律で認められた猟法(銃・わな・網など)を使用すること。
- 狩猟免許や狩猟者登録など、必要な手続きを行っていること。
さらに、国や都道府県によって追加の規制が設けられる場合があります。
4−1.環境大臣による規制
全国的な保護が必要な場合には、環境大臣が次のような規制を定めることがあります。
- 特定の区域・期間での捕獲禁止
- 捕獲数(バッグリミット)の設定
- 特定の猟法の禁止
4−2.都道府県知事による規制
地域の実情に応じて、都道府県知事はさらに規制を設けることができます。
代表的なものとして、
- 休猟区の指定
- 特定猟具使用禁止区域の指定
- 地域独自の捕獲制限
などがあります。
まとめ
狩猟鳥獣とは、単に「狩ってよい動物」ではありません。
その種類ごとの生息状況や保護の必要性、農林水産業への影響などを総合的に考慮し、法律に基づいて狩猟が認められている鳥獣です。
狩猟を安全に、そして持続的に楽しむためには、鳥獣の知識だけでなく、その背景にある法律やルールを理解することも大切です。
今回紹介した狩猟鳥獣を取り上げ、特徴や生態、見分け方などを詳しく解説していきたいと思います。
編集後記
この記事は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律および鳥獣保護管理法施行規則をもとに作成しています。
なお、狩猟鳥獣の種類や狩猟制度は法令改正により変更されることがあります。最新の情報は、環境省や各都道府県が公表する資料をご確認ください。

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