
春になると親鳥の後ろをヒナが一列になって泳ぐ姿でおなじみのカルガモ。
公園の池や河川、水田などで一年中見ることができる、とても身近な野鳥です。
しかし実はカルガモは、日本で狩猟が認められている狩猟鳥獣でもあります。
今回はカルガモの特徴や生態、他のカモとの違い、狩猟者として知っておきたい識別ポイントまで詳しく紹介します。
基本情報
- 分類:カモ目カモ科
- 全長:約60cm
- 分布:全国
- 生息区分:留鳥
カルガモは日本全国に分布しており、一年を通して国内で生活しています。
「留鳥(りゅうちょう・とどめどり)」とは、季節による大きな移動をせず、一年中同じ地域で生活する鳥のことです。
狩猟鳥獣となっているカモ類の中では、カルガモだけが留鳥であり、近所の川や池、潟などでも一年中観察できます。

カモ類の中でも大型
狩猟対象となるカモ類にはさまざまな種類がいますが、大きさを比べるとおおよそ次のようになります。
- マガモ・カルガモ(大型)
- ホシハジロ・ヒドリガモ(中型)
- コガモ・キンクロハジロ(小型)
カルガモはマガモと並び、カモ類の中でも大型種です。
そのため肉量も多く、食味についてもマガモと並んで美味しいカモとして知られています。
狩猟では「できるだけ大きな個体を狙いたい」と考える方も多いですが、その一方で、狩猟対象外のカモを誤って捕獲しないためには、確実な識別能力を身につけることが何より重要です。
カルガモの特徴
カルガモは全体的に褐色で、とても地味な色合いをしています。
狩猟鳥のカモ類では唯一、オスとメスがほぼ同じ見た目をしています。オスの方がわずかに大きい程度で、外見からの判別は困難です。
識別のポイントは次のとおりです。
- 全身が褐色のまだら模様
- 首がやや長い
- 目を横切る黒い過眼線
- 黒いくちばしの先端だけが黄色い
- 三列風切の白い縁が目立つ
- 飛翔時は翼の下面の白色がよく見える
特に黄色いくちばしの先端と目を通る黒い線は、カルガモを見分ける大きな特徴です。
鳴き声は「グェー、グェー」と力強く鳴きます。
陸ガモと海ガモの違い
カルガモはいわゆる陸ガモに分類されます。
陸ガモと海ガモでは、飛び方や餌の食べ方にも違いがあります。
飛び立ち方
陸ガモはほぼ真上へ飛び立つように、一気に高い角度で飛翔できます。
一方、海ガモは水面を助走するように足で蹴りながら滑走し、徐々に飛び立ちます。

水面での姿勢
水面に浮いている姿も異なります。
陸ガモは尾羽が水面から持ち上がって見えます。
反対に海ガモは体が低く浮き、尾羽も水面すれすれになります。

餌の食べ方
カルガモなどの陸ガモは、水面や地面の植物を中心に食べます。
水面で逆立ちをするように体の半分ほどを水中へ入れて採餌する姿はよく見られます。
一方、海ガモは潜水して水中の貝類や魚などを捕食します。

食性と生活
カルガモは植物食傾向が強く、
- 水草
- 草の葉
- 種子
- イネ
- 落ち穂
などを食べています。
そのため水田では稲を食害することもあります。
日中は河川や湖沼などの水面で休み、夜になると草地や農地へ採食に飛び立つことが多い鳥です。
飛翔は一直線で力強く飛ぶのも特徴です。
繁殖
繁殖期は春から初夏。
水辺近くの草むらに巣を作り、地上で営巣します。
ヒナは孵化したその日から歩き、泳ぐことができる早成性で、親鳥の後ろを一列になって移動する姿は日本の春の風物詩となっています。
狩猟鳥獣としてのカルガモ
カルガモは狩猟鳥獣ですが、捕獲には法律上の制限があります。
カモ類全体の捕獲制限は、
- 1日5羽まで
- 網猟では狩猟期間を通じて合計200羽まで
となっています。
また、狩猟期間や禁猟区などのルールを守ることはもちろん、狩猟対象外の鳥との誤認捕獲を防ぐため、識別能力を磨くことも猟師として重要な技術です。
私が感じるカルガモ
私は今期で狩猟を始めて3年目になりますが、実はまだカルガモを仕留めたことがありません。
普段ランニングをしていると、近所の川で警戒心もなく優雅に泳いだり、岸辺でのんびり休んでいる姿をよく見かけます。
ところが狩猟期になると様子は一変します。
狙っている湖では姿そのものが少なくなっていたり、いてもはるか沖の射程外にいたりと、その警戒心の高さを実感します。
そのため、狩猟期以外の今の時期はカルガモをじっくり観察できる貴重な機会だと考えています。
全身が褐色なので他のカモ類のメスと似ていますが、私が特に識別しやすいと感じるのは、目を横切る黒い線とくちばしの先端だけが黄色いという特徴です。
狩猟期に慌てず確実に識別できるよう、今から観察を重ねて経験を積んでいきたいと思います。
まとめ
カルガモは、日本で唯一一年中見ることができる狩猟対象のカモです。
マガモと並ぶ大型種で食味にも定評があり、多くの猟師が狙う人気の鳥でもあります。
一方で、他のカモ類のメスと似ているため識別は決して簡単ではありません。
だからこそ、普段から観察を重ねて特徴や習性を知ることが、安全で適正な狩猟につながります。
身近な野鳥だからこそ、その生態を知れば知るほど、カルガモという鳥の奥深さや魅力を感じられるでしょう。

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